『ハートネットTV』ブレイクスルーFile.64
「“きつ音”こそ芸の肥やし―落語家 桂文福」
11月14日(月)夜8時[再放送:21日(月)午後1時5分]

 桂文福さんのブレイクスルーが放送されました。
僕は、沖縄キャンプに行っており、放送日には見ることができなかったのですが、沖縄から帰ると、桂文福さんから留守番電話が入っていました。とてもいい番組だったと感激した様子でした。僕もさっそく見ましたが、見事に吃音の世界がそこに広がっていました。かなり、どもりながら、堂々と自分を表現している文福さんがいました。10月10日のブログに書いたのですが、僕と最初にお会いしたときは、こんなにもどもっていなかったように思います。
 「伊藤さんに出会って、吃音をカミングアウトできた」と桂文福さんはよくおっしゃいます。それからは吃音について本当にオープンで、40周年の記念パーティーには僕を呼んで下さり、「日本吃音臨床研究会の伊藤会長です」とみなさんに紹介もして下さいました。会場の300人ほどでしょうか、全員が吃音を肯定的にとらえている姿に、あたたかいものを感じました。以前のブログに書きましたが、ご夫人の「どもって、なまって、それでも落語の世界で立派に生きてきた」と紹介した姿は、今でも強い記憶として残っています。

 桂文福さんとのつきあいの深い、大阪吃音教室での様子も番組の最後の方に出てきます。僕も少しうつっています。

 見落とした方、11月21日の午後1時5分から再放送されます。
 是非、吃音の豊かな世界を見て下さい。
 番組のホームページから貼り付けます。


【あすのHNTVは、ブレイクスルー】
ブームに沸く落語。
大阪に、不動の人気を誇る異色の落語家がいます。
 
高座では古典落語をほとんどせず、怒濤のごとく繰り出される小ネタの連続。その型破りな芸風で、老若男女から愛される大ベテラン、桂文福さん。
 
そんな文福さんは、3歳の頃からきつ音症に悩んできました。人と関わることを避け続け孤立する日々。そんな時、心の支えとなったのが落語でした。5代目・桂文枝さんの陽気で豪快な語り口を聞いて、弟子入りを決意、稽古に励みますが想像以上にきつ音の壁は高いものでした。
 
芸歴45年、泣き笑いの落語家人生。ハンディキャップのきつ音をあえて武器にし、言葉が命の世界で勝負する、桂文福さんのブレイクスルーに迫ります。
 
▼出演者インタビュー
風間さん→http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/2800/256476.html
AIさん→http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/2800/256473.html
桂文福さん→http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/2800/256475.html

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日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016/11/20