5月29日沖縄に行きます。沖縄リハビリテーション福祉学院言語聴覚学科の平良和さんが、毎年、学院の学生の講義に僕を呼んで下さっています。90分の講義を4コマ、担当させてもらっています。

 2012年夏、千葉で開かれた、第一回親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会で、平良さんと初めて会いました。沖縄からよく千葉の講習会に参加して下さったと、その熱意に感謝したのでした。平良さんはこれまで持っていた、吃音の臨床のイメージとまったく違う世界に驚き、しかし、自分のこれまでもっていた疑問が解消されて、当初参加の予定のなかった懇親会にまで参加して、僕たちの仲間と親しく話す機会がもてました。昼間の講習を受けただけでは、その後のつきあいには発展しなかっただろうと思います。

 言語聴覚士の専門学校の教員として、平良さんは、ほとんどの人がそうであるように、吃音の検査や、治療法を教えていたそうです。教えながら、これでいいのかと違和感をもっていたのが、吃音は治そうとするのではなく、吃音を認めて、吃音と共に子どもが生きることに、同行するのが専門家の役割だとの僕たちの考えに出会い、強い共感を覚えたそうです。懇親会の酔った勢いもあって、僕に是非、沖縄に来て下さいと言って下さいました。まあ、社交辞令だと思っていたのが、その年の12月にそれが実現しました。この行動力には脱帽です。

 それから、専門学校の講義だけでなく、言語聴覚士会の講演会を翌年開催し、これまで参加したことのないような大勢の100人近くの人が参加してくれたと喜んで下さいました。そして、今年のこの、「講演会・ワークショップ」につながりました。沖縄に、吃音のことを学びたい、理解したいと考える人が増えていくのがとてもありがたいことです。11月には沖縄で初めての吃音親子キャンプが開かれます。

 吃音を通して、このように人の輪が広がること、ありがたいことです。沖縄にお知り合いのいらっしゃる方、是非ご紹介下さい。今年は、どのような出会いがあるか、とても楽しみです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2016/05/12



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