いよいよ、明日から、いやもう今日になりました。第26回の吃音親子サマーキャンプです。今年も、沖縄や関東地方から135名が参加します。キャンプの報告の前に、吃音講習会の報告です。   

第4回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会が、8月1・2日、東京・池袋の帝京平成大学で開催されました。「子どものレジリエンスを育てる」をテーマに、筑波大学副学長の石隈利紀さんを講師に迎え、遠くは沖縄、鹿児島、島根、宮城、山形など広い範囲から79名が参加しました。 ことばの教室の教師、言語聴覚士、どもる子どもの保護者など、それぞれの立場からの率直な思いがあふれた有意義な2日間になりました。

 1日目の午前10時、日本吃音臨床研究会会長の伊藤伸二の基調提案から、スタートしました。 午後は、石隈利紀さんの、前のめりになって語りかける、エネルギーあふれる講義が続きました。ユーモアたっぷりのお話は、一方的ではなく、エクササイズを取り入れ、参加者と確認しながら、すすんでいきました。そして、参加者は、いつの間にか、石隈さんワールドの中に引き込まれていきました。講義後の伊藤との対談は、聞いている者も弾んでくるような、楽しい時間でした。

 実は、石隈さんと伊藤の対談は今回で2度目です。1999年に、論理療法をテーマとした吃音ショートコースに講師として来て下さったときの対談は、3時間休憩なしのぶっ通しでした。始終笑いとユーモアに包まれ、フロアの参加者と一体になった対談でした。前回の対談を思い出させるすてきな時間を過ごしました。
 その後、グループに分かれ、講習会を振り返って、質問を出し合いました。公式プログラムが終わったのが、19時45分。研修会という名のつくもので、これほど長時間のものは他にはないのではないかと思えるくらいのハードスケジュールですが、参加者の皆さんは、こんなに長いとは…と少し疲れながらも、充実した中身に満足していただけたようでした。 場所を変えた懇親会には、石隈さんも最後まで参加して下さいました。

 2日目は、直前まで長崎で開かれた、九州地区難聴・言語障害教育研究協議会に講師として参加されていた、国立特別支援教育総合研究所の牧野泰美さんのお話から始まりました。続いて、同じく直前に行われた全国難聴・言語障害教育研究協議会の吃音分科会で発表した桑田省吾さんが、講習会バージョンに変更して報告して下さいました。その後は、前日の質問に答える形で、幼児の吃音、学童期の吃音に必要なレジリエンスをどう育てていくか、多くの実践例を出し合いながら参加者みんなで話し合いました。

 そして、最後のセッションは、参加者ひとりひとりが今回の講習会を振り返りました。ゆったりとした時間の中でこの2日間を振り返るこの時間は、余韻に浸りながらも、ここで学んだことを明日からの子どもたちとの出会いに生かしていこうという決意、覚悟を感じ取ることのできる濃密な時間でした。一部、紹介します。

◇これまで遊びを大切にして、どもりながらしゃべるということをしてきたが、これでいいのかなと少し不安だった。それでいいと言ってもらえて安心した。ぜひ、来年も参加したい。

◇具体的に何をしていいか分からなかったが、声を出すということ、表現することの楽しさを子どもと共にみつけていくということを教えてもらった。それなら、明日からできそうだと思った。

◇幼児の臨床をしている。来られた親に対して、一緒に子どものレジリエンスを高めていこうと、自信をもってすすめていけそうだ。

◇初めて参加したが、前に立って話をする人が、自分の弱みを出してくれるので、安心して参加できた。そのため、講習会全体がやわらかい雰囲気で楽しく研修することができた。

◇子どもと対等に、誠実にかかわっていきたい。教室に来ているどもる子に早く会いたくなった。

◇ことばの教室担当になって20年。そろそろネタ切れになっていたときに、レジリエンスという横文字に惹かれて参加した。今までやってきたことがよかったと確認できたし、これからすることもみつけることができた。以前、どもっている校長がいて、その人の生き方に惹かれていたことも思い出すことができた。

◇柔軟なプログラム変更など、参加者の様子をみながらの運営・対応がよかった。

◇子どものレジリエンスをみつけて、それを親に伝え、共有していきたい。
 
 「スタタリングナウ 癸横毅押。横娃隠鞠8月号より  報告・溝口稚佳子

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2015/08/20