静岡のキャンプは、スタッフの学習会からはじまります。

 静岡も、同じく吃音キャンプをしている島根県と似て横に広い件です。沼津と伊豆ではかなり距離が離れています。それにも関わらず、静岡県下から朝の学習会に集まってきて下さるのには頭が下がります。今年のテーマは「ナラティヴアプローチ」です。半数近くは毎年私の話を聞いて下さっていますが、半数は初めて聞く人です。前列には、言語聴覚士養成の大学さんが並んでいます。大学で学ぶ吃音と私の話す吃音は、ほとんど別物といっていいくらい違います。
 「ナラディヴ・アプローチ」が吃音にとってなぜ重要かを話す場合、これまでの吃音の治療の歴史を話す必要があります。その中で、ジョゼフ・G・シーアンの吃音氷山説と、ウエンデル・ジョンソンの言語関係図は外せません。アメリカ言語病理学から学べるものは、この二つしかないと言っていいくらい大切なものです。しかし、講義では聞かなかったと聞いておどろきました。やはり、吃音の治療・改善についてしかまなばないからでしょうか。
 2時間ほどの講義の後、食事をしながら、キャンプの実行委員会です。

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 静岡のキャンプを始めた、当時はことばの教室の先生で、今は静岡大学に勤める海野智子さんの開会の挨拶で始まります。12回目のキャンプが開催できたことへの思いを語ります。
 10回が終わったとき、10回続けて来たのだから終わりにするかとの話が持ち上がり、私をふくめて三人でつづけるかどうか話したことがあります。始めたものはいつかは終わりが来ます。いろんな準備の大変さの中で、いつやめてもいいとの思いを持たないと、実は続かないのです。続けなければならないと考えると、かえって続きません。
 その中で、この人たちがここまで続けて来られた情熱はなにでしょう。キャンプが終わって、終わりの会で「楽しかった、また参加したい」と、発言する子どもたちの笑顔がまたみたい。この思いなのです。
 台風で中止になりそうな所を、念力で開催できたのは、子どもたちの思いなのかもしれません。
 とにかく、スタートしました。うれしいことです。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/10/29