吃音の当事者研究

 大阪に戻ってきました。これでブログの更新ができると思っていたのですが、長く留守にしていたため、仕事の処理に追われていました。
 この秋に発行される「吃音の当事者研究」(金子書房)の再校正や、いくつかの文章を書くことが残っていました。
 校正紙に目を通しながら、「べてるの家」の向谷地生良さんのまえがき、元TBSのディレクターでジャーナリストの斉藤道雄さんの序文を、つい何度も読んでしまいました。特に、斉藤道雄さんの文章には、涙がいつもにじみます。
 この二つの文章に出会うだけでも、「吃音の当事者研究」を手にする価値がある。9月中旬書店に並ぶと思いますので手にとって、お読み下さい。そして、本も買って下さい。とてもとてもすばらしい本です。

 斉藤さんの文章に、私は涙がにじむほど共感してうれしいですが、「吃音を治す、軽減してあげる」と考える人は、どのように読むのだろうと思いました。胸に迫ってこないかもしれません。私の周りにいるいる人たち、一緒に活動をする人たちは、私と同じような感想をもつだろうと思いますが。この違いは、感性、センス、人生観、世界観による違いかなあと思うと、残念ですが、私たちの思いは、同じような感性の人にしか伝わらないのでしょうか。
 だとすれば、ちよっと残念で、悲しい。どうしたら、私たちの思いは伝わるのでしょうか。答えのない問いを、これからも考え続けようと思います。

 私たちの発行する月刊紙「スタタリング・ナウ」でやっと、第10回世界大会・オランダの報告ができました。これから、ぼちぼちと報告していこうと思います。
 私たちの仲間川崎益彦さんが編集の、国際吃音連盟の機関誌も完成しました。日本吃音臨床研究会のホームページから、リンク先の国際吃音連盟に飛びます。写真がたっぷり入った楽しいものになりました。私の写真も入っています。是非ご覧下さい。

 ぼちぼちと、ブログの更新ができるようになりました。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/08/17