5月18日19日
 15回の吃音キャンプでした。

 15年も続くとは私も、みんなも思っていなかったのではないでしょうか。さすがにね15回パーフェクトに参加しているのは私と、今は教頭先生をしている松原さんだけになりました。どもる子どもが好きで、どもる子どもと遊んだり、話し合ったり、吃音のことを好きな人たちが、というよりも、吃音を通して人生を考えることが好きな人たちが、次から次へと受け継いできたからですが、その中にどっかりといる、中心的な人の魅力が、大勢の人たちがひきよせていくのでしょう。病気で1回涙をのんで参加できなかった、宇野正一さん、その時奇しくも事務局を佐々本茂さんにバトンタッチをしようとしたときでした。宇野さんがいる中でのバトンタッチではなく、不在の中ですべての責任者になる、あのときはたいへんだったろうなあと、端から見ていて思いました。今は、すべてを佐々本さんが準備の中心、進行の中心にいる、さらに、島根県の難聴言語障害教育の事務局長という、とても忙しい中での準備に、いつも頭が下がる思いです。

 今年は、高校生三年生が4人、吃音親子サマーキャンプの卒業式のように、ひとりひとりが決意表明のような挨拶をしました。小学1年生の時、早朝に小さな山に登り「言いたいことを叫ぼう」と、みんながめいめい好きなことを言っていく中で、小学1年生の3人が「どもりは一生治らない」と叫んで、みんなをびっくりさせた子が、高校3年生になっている。15年の歳月の重みを感じました。

 島根には、初恋の人が住んでいて、初恋の人との再会を作ってくれたのは、このフォーラムがきっかけでした。いろんな意味で、島根は、私にとって、こころのふるさとのようなところになっています。
 翌日は、島根県の難聴言語障害教育にかかわる人の1日研修があり、吃音についてたっぷり話しました。
 その話はまた。島根から帰って翌日は朝から京都の専門学校の講義、今日は大阪の専門学校と、8月まで、ぎっしりとスケジャールが詰まっています。4月、5月が特にたいへんで。胸がつまりそうな過密スケジュールなのですが、それも5月はもう少しでクリアー。時間は過ぎていくのですね。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/04/14
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