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 中学1年生が参加してくれました。
 
 昼の部が終わって、多くの人が質問に来てくれました。また本にもサインをしました。6時開始の夜の部までに,夕食をすませる必要があります。言語聴覚士の志賀さんの知り合いの中華料理店がこの講演会の後の行きつけの場所です。センターの職員と、いつも手伝いに来て下さる仲間二人の他に、今回は広島から参加した、ことばの教室の教師がふたりと、小学せいの保護者の3人も一緒でした。いつものように、いろんな吃音に関する話題がつきないのし楽しいことです。

 6時から夜の部がスタートしました。昼の部では私が1時間以上話しましたが、成人の部では、一人一人から、今困っていること、考えたいこと、解決したいことなどを話してもらい、それについて私が話していくというスタイルをとりました。いろんな話が出されて、考えていく、私の一番好きなスタイルてせす。中学1年生が一番端に座っていたので、最後に取り上げました。どもるまねをする同級生が怖くて、学校へ行けなくなっているとの相談を3か月ほど前に電話してきた子です。中学1年生と電話で30分も話した珍しい経験でした。

 ふたりで対策を考え、クラスにははいれないものの、今は学校へ行っています。この4月からどうするかをみんなにアイディアを出してもらって話し合いました。彼の今起こっていることはいじめです。いじめには敢然として大人の力を借りて解決しようと言ったのですが、からかいや、まね程度はいじめとは考えないようでした。しかし、精神的苦痛から、学校へ行けなくなっているのですから、これはいじめです。

 いじめている3人の生徒の分析をして、こんなつまらない人間のために、学校へ行けなくなるのはばかばかしいとの結論になり、かれば参加者全員の前で、3人には負けないと宣言しました。
 大人が自分の問題を真剣に考え、話し合ってくれている。これだけでもおおいなる勇気づけになったと思います。夜に、90分もかけて一人で参加した、それだけでも大きな実績です。彼はきっと負けないで、4月からはクラスにも、クラブにも行ってくれると信じています。いつでも、困ったときは電話をするように約束した、温かい雰囲気の夜の部がおわったのでした。
 大阪への新幹線の最終便、広島の3人の女性と楽しく語り合いながら帰ったのでした。
 どもりに悩んだおかげで、このように幸せな時間をもつことができる。ありがたいことでした。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/02/10