早いもので今年最後のブログとなりました。

 今年一年も、いろんなところで講演や講義、相談会、キャンプなどで、どもる子どもや保護者、ことばの教室の担当者や言語聴覚士、吃音にかかわる人々と出会ってきました。そのとき話したこと、聞いたこと、感じたことなどを、このブログで書きたかったのですが、次々と仕事が続くと書かない間に、次の仕事があり、かけなくなっていました。読者のひとりから、伊藤さんの文章が長すぎるから、つい書くのが滞る。日記のように軽く書けばいい、とアドバイスされました。だけど、吃音をとりまく環境は、私の視点からすれば、ねんねん厳しくなっています。いよいよ、アメリカ言語病理学への傾斜が強まっていると思えるのです。

 日本語でどもる私たちには、日本の吃音臨床があっていい。アメリカからこれまで多くのことを学んできました。そのことは感謝し、アメリカ言語病理学を評価しつつも、問題点を明らかにして、日本の吃音臨床を作り上げる時期にきていると私は確信しています。仲間はそれほど多くはないのですが、志を同じくする人たちと、力を合わせて、日本のどもる人が、どもる子どもが幸せに生きられる道を確立するために、来年は一段と頑張りたいと思っています。その大きな起爆になるのが、べてるの家の向谷地生良さんとの共著「吃音の当事者研究」と保護者や教師向けのパンフレットです。

 湯布院で執筆しているのが、どもることもの教育のためのパンフレットですが、これまでのどもる子どもの指導の書籍など目を通していると、はっきりと書くべきことが浮かび上がってきました。今、一所懸命に書いています。来春には発行予定です。また、案内しますのでぜひお読みください。

 というわけで、年内の相談会や講演会について、書いていないものについて、年をまたいでしまいますが、書いていきたいと思います。どうか引き続きお読みいただき、吃音に関心をもつ人々にできるだけ、ご紹介いただければうれしいです。読んでくださる人がいると信じられるから書き続けることができます。どうか、よろしくお願いします。

 お読みくださっている皆様、ご健康で良いお年をお迎えください。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2012年12月31日