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  講習会最後のプログラムは、ティーチイン。

 みんなで輪になり、ひとりひとりが今思っていることを話していきます。吃音ショートコースという毎年秋に行っているワークショップでも、最後はみんなで語ろう、ティーチインを行います。
 私は、この時間が大好きです。ひとりひとりの思いに触れ、講習会全体を振り返ることができます。話し始めると、ひとりひとりの話が長くなりました。いろんな思いがあふれてきたのでしょう。三人の方がびっくりするような自己開示をされました。2日間の講習会で、参加者のひとりひとりへの信頼が育ち、この場でなら受け止めてもらえるとかんがえられたのでしょう。
 限られた時間です。まさか皆さんが自分の思いを、こんなに長く言葉にするとは予想がつきませんでした。このままでいくと、全員が話し終えることができなくなりそうです。私は、途中で、「もう少し短く」とお願いしました。皆さん、苦笑いをしながらも、協力して下さったようですが、やはり自己開示的な感想が続きました。

 「とても楽しかった」と言って下さった方が何人もいました。「役に立った」なら分かるのですが、この感想は意外でした。特別に楽しい企画を用意したわけではありません。まあ、どこでもそうですが、いつものように、話の合間に合いの手を入れるというか、茶々を入れるというか、大阪人特有のユーモアは入ったかもしれませんが。
多分、私たちが楽しくて楽しくてしようがないというような感じで、準備、運営をしていたかもしれません。実行委員は楽しみながらしんこうしていたのですから。
 
 また、講師も参加者も、ひとりひとりが自分のことを語ったからではないでしょうか。決まり切ったことばではない、今浮かんだ思いを大切にしてことばを紡いでいった、それはまさにナラティヴ的な時間でした。
 15分くらいオーバーしてティーチインを終わりました。時間の許す人には、片付けを手伝ってもらって、会場を出たのが午後6時前でした。

 企画し、準備した私たちは確かに楽しかったし、当日もそんな気分でした。それが伝染したかのように、参加者も楽しかったと言って下さいました。講習会に参加して楽しかったというのも変ですが。

 その日帰らずに打ち上げ会に参加したいと1泊して残った実行委員のメンバ−、地元のメンバー9人で打ち上げをしました。ひとりずつがいっぱい語りました。私たちは、本当に語ることがスキなんだと思いました。こうして話していくうちに、これまでもいろいろなことが実現していきました。語る文化の中で、世界が広がり、人がつながっていくということを経験しています。とても幸せな気持ちのまま、もっと話していたいが続いて、10時をすぎていました。

 こうして熱い思いのあふれた吃音講習会が終わりました。
 これで講習会の報告は終わりです。岡山キャンプ、滋賀のキャンプへと続きます。
 
 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2012/08/30