しばらくブログを更新しない間に、横浜での相談会、栃木県・言語聴覚士会研修会、宇都宮市のことばの教室担当者との懇談会、そして、北九州の吃音相談会、その翌日は大阪府豊中市の特別支援教育コーディネータの研修と続いていました。このブログで書けないうちに、次の日程がきてしまい、書きそびれてしまいます。時間を前後してもなんとか書いていきたいものです。

 もう、何回、北九州のこの相談会に呼んでいただいているのか、記録をとっていないので分かりません。少なくとも15回は超えているのでしょうか。本当にありがたいことです。
 センターの二人の言語聴覚士がずっと計画をして下さっていたのですが、お二人とも一昨年、昨年で定年退職されました。しかしその後も、一人が職員として残っておられて、今年も継続して開いてくれました。昨年退職した一人も、小児科のクリニックで言語聴覚士として仕事をしておられますが、当日手伝いに来て下さいました。一年に一度ですが、吃音について、吃音を治すことにこだわらず、吃音とつきあうことをずっと実践しているふたりの言語聴覚士に会うことが、そして、情報交換できることがとてもありがたく、楽しみなのです。今年も二人に会うことができて、勇気づけられました。

 北九州市のセンターの主催なので、市政だよりなどの広報でお知らせがされています。だからなのでしょうか、毎回参加者の多いのには驚きます。今年も2部に分かれていて、吃瑤呂匹發觧劼匹發鯊仂櫃砲靴秦蠱眠顱↓局瑤蝋盥酸鍵幣紊料蠱眠颪任后子どもを対象にした相談会には40人以上、成人にも20人以上が集まって下さいました。

 受付のところでうれしい出会いがありました。小学4年生の子どもが、お母さんと通級指導教室の先生と3人で来てくれ、すぐに私を見つけて挨拶をしてくれました。「どもる君へ いま伝えたいこと」(解放出版社)をその子は読んでくれていて、その本を読んで、とても前向きで、元気になったそうで、私に会うのを楽しみにしていてくれたそうです。子どもが、私に会うのを楽しみにしてくれている、なんとうれしいことでしょう。この子と会えただけでも、北九州にきた甲斐がありました。

 今回は、映画「英国王のスピーチ」の映画を、ナラティヴセラピーの視点で整理し、子育てに生かすことを話しました。「どもっていては、 国王として失格だ」の物語から、「国民に語るべきことばをもち、どもりながらも誠実に話し、信頼される王になる」との物語につくり直すのに、家族や周りの人の大きな役割について話しました。
 吃音にまつわる、これまでにありがちな、 「どもりが治らないと、幸せにならない」という物語を、「どもりながら、楽しく幸せに生きられる」物語に書き換えようとの提案です。皆さんがとても共感して聞いていて下さったことが、感想文から分かりました。また、相談会の最後に、この小学生が代表して質問をしてくれました。

 大人の部では、「どもってはいけない場など何ひとつない」との話が中心で、日本語の発音・発声について話しました。竹内敏晴さんから学んだことを、大勢の人に伝えていけるのはうれしいことです。

 最終の新幹線のぞみ号の自由席は、誰かのコンサートがあったらしく、珍しく150パーセントの乗車率でした。指定席の一つだけあいていた席で、ゆったりと幸せな気分で、相談会を振り返っていました。

 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二